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大阪富田林市の写真スタジオ フォトスタジオシミズは100年企業?②
シミズの歴史②
シミズがついに富田林に根付く
前回のエピソードの続きで、清水猛夫(2代目)が戦争で焼け野原になった大阪市浪速区から、妻あやこの故郷である富田林市に移転し、近鉄長野線「滝谷不動」駅前に「清水龍華堂」をオープンしたところまでお話ししました。
今回のエピソードは、猛夫が苦労しながら清水龍華堂の繁栄を目指し、息子の隆夫とその妻(現シミズ会長)の初代がどのようにして出会ったのかを紐解いて行きます。
猛夫の必死の商売
もともとの地盤を戦争で無くし、富田林で再スタートすることになった猛夫は、死に物狂いで働きます。化粧品会社に勤め、化粧品を取り扱う「小間物屋」を浪速区で営んでいた猛夫は、富田林の地でも化粧品を売ることに全力を注ぎ、毎日ガタコ(軽トラの前身である三輪のトラック)で地域の玄関扉を叩き続けます。
富田林で化粧品は流行らなかった
もともとは大阪の繁華街で、ハイカラな女性や芸者さんなどに化粧品を売っていた猛夫にとって、当時の富田林はまだ文化の都会化が進んでおらず、化粧品を欲しがる人はあまりいませんでした。扉を叩いても、叩いても、断られる日々。しかし、根っからの商売人で、人想いである猛夫は、めげずにお客様にお話を続けたと言います。取り扱う化粧品の良さをまず自分が理解し、そしてどのようにそれらの化粧品がお客様の人生を華やかにするのか、必死に説明を続けました。
化粧品から思わぬ展開に
そうして地域一体(富田林市から南河内の市町村一帯を回っていたそうです)に説明を続けるうちに、猛夫の商売に変化が訪れます。変化は突然ではなく徐々に訪れたと言いますが、化粧品を訪問販売している中で、「ねぇねぇ、おたく、〇〇も売ってへん?」とお客様から商品のお問い合わせを受けることが多くなっていきました。そうすると、「ビジネスはお客様のために」と張り切る猛夫は、日用品や生鮮食品の取り扱いまで始めるようになります。そうして、店舗にもお客様が来られるようになり、次第に「清水龍華堂」は地域に根ざした商店へと成長していきます。
息子「隆夫」が生まれる
清水猛夫とあやこは、2人の子供に恵まれます。長女の「 」と長男の隆夫です。
この2人は、大きくなるにつれ次第にお店を手伝うようになります。当時のシミズは、「滝谷不動」駅前の「清水龍華堂」ともう一店舗、富田林市の「美具久留御魂神社」の近くに「ホープセンター」という小さな商店を出店していました。当時は、家族総出で運営する、そんな2店舗でした。
隆夫、後を継ぐ
近畿大学へ通い、新聞記者に憧れていた隆夫でしたが、実家でずっと働いていたこともあり、そのまま「清水龍華堂」の経営を手伝うようになります。そんな「ホープセンター」で働いていた隆夫に密かに憧れを抱いていた少女がおりました。それが福井初代です。
初代の生い立ち
初代は、富田林市の南旭ケ丘町に大きな果樹園を持っていた農家、福井家の長女として生まれ、戦後復興の日本において、自然に囲まれ、のんびりとした豊かな暮らしをしていました。特に、福井家がつくるブドウには定評があり、大阪の市場では高値で売れ、当時はまだ珍しかった「テレビ」をいち早く購入するほどでありました。その珍しい「テレビ」を見に、近所中から人が押し寄せて来ていたんだとか。しかし、果樹園があった南旭ケ丘町に、大規模な住宅開発の話が訪れ、福井家は果樹園を売り、丘の麓に家を建てます。やがて父親は銀行へ勤めるようになったものの、親子3世代、仲良くのんびりと過ごしていたと言います。
そんな麓の新しい家の近くにできたのが、ホープセンターでした。
当時はスーパーもあまりなく、ホープセンターは生鮮食品から日用品までなんでも揃うとても便利なお店でした。当時まだ中学生だった初代は、友達と「試験勉強」と言ってホープセンターへお菓子を買いに行き、勉強をせずにおしゃべりばかりしていたそうです。そして、その様子を働きながら見ていた隆夫と姉の照子は、初代と次第に仲良くなって行きます。初代は隆夫を「にいちゃん」と呼び、ホープセンターは地域に根付き、2人の関係にも根が張っていく、そんな数年が過ぎて行きました。
この続きは次回のエピソードで!
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